作る ―

Sekireiの中核となる「DavServer」と名付けられたライブラリをプログラムに組み込めば、開発者はその機能を自身のプログラムで利用することができます。DavServerが提供する機能は、コンピューターのファイルシステムから指示を受け、その返事をファイルシステムに返す機能だけです。DavServerが行わないサーバーとのやり取りについては、開発者が実装しなければなりません。逆に言えば、サーバーとのやり取りさえ実装できれば、ローカルのファイルシステムと同様の手法でサーバーへアクセスすることができます。このように、サーバーとDavServerとの間を橋渡しする部分を、「ブリッジ(Bridge)」と呼ぶことにします。開発の最初の目標は、このブリッジを実装することです。

ブリッジ

DavServerを利用するだけであれば、作業はこれだけです。しかし、Sekireiに新たな機能を組み込む、いわゆる「プラグイン(Plug-in)」を作りたい場合は、これに加えて、(さら)に幾つかの実装が必要です。プラグインを作成してインストールすると、Sekireiのメイン画面にはそのプラグインのボタンが表示されます。標準ではSFTPとFTPSしか利用できないSekireiに、新たな力を加えることができます。

ブリッジを作るにせよ、プラグインを作るにせよ、先ずはSekireiがどの様に動作しているのか、その中身について多少の説明が必要です。ここでは最初にSekireiの動作原理を説明した後、ブリッジとプラグインの作成方法について説明しています。